よくばりな犬
『よくばりな犬』
肉をくわえた犬が、橋を渡っていました。
ふと下を見ると
川の中にも肉をくわえた犬がいます。
犬はそれを見て、思いました。
「あいつの肉の方が、大きそうだ…」
犬は、くやしくてたまりません。
「そうだ、あいつをおどかして、あの肉を取ってやろう」
そこで犬は、川の中の犬に向かって思いっきり吠えました。
「ウゥー、ワン!!」
そのとたん、くわえていた肉はポチャンと川の中に落ちてしまいました。
「ああー…」
川の中には、がっかりした犬の顔が映っています。
さっきの川の中の犬は、水に映った自分の顔だったのです。
同じ物を持っていても、人が持っている物の方が良く見えます。
そして、欲張ると結局自分が損をするという…これは、そんなお話。
ガタタタタン ガタタタタン…
顔を上げると
河川敷の藪の間の鉄橋を電車が走り抜けていくところだった。
暑い日が続いて、それはもう
「今年の冬は来ないんじゃないかな…」
なんて思う事もある。
けど季節は
人みたいに腰を上げるのを億劫がっていても
必ず仕事をこなしていくんだ。
春を憂いて 夏を凌いで 秋を祝って 冬に眠る
その光景を 意識・無意識に関わらず何度も見てきた。
見てきたはずなんだけど いつも季節の移ろいに心奪われる。
川原に大きな玉石がゴロゴロしている。
小学生の頃は 公園よりも川が主な遊び場で
たくさんの石を積み上げて川を塞き止めようとしてみたり
本気で石の家を作ろうとしてみたりした。
日射しが照りつける川原の石は攻撃的だ。
裸足で歩いていると足の裏がジリジリする。
それに歩きにくい…
思い出が風鈴の短冊のように風に泳ぐ。
「あれ…なんだろう?」
橋から見下ろした川原の景色になんだか違和感…
真っ赤な 真っ赤な 高級そうな霜降り肉
…みたいなレンガ製の遺物が2か所。
向こう側に見える鉄橋脚の先代だったのだろう。
完全撤去じゃなくて 大雑把に解体したらしく
土台だけが残されたみたいです。
ここは何度も通ったけど初めて気が付いた。。。
増水時の川水に洗われて角が取れたから
霜降りのステーキ肉みたいな感じがするね。
そうだ
イソップ童話の「よくばり犬」が落とした肉が
川原に流れ着いたみたいにさぁ。。。
そんな感じしない?
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