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2010年7月 4日 (日)

トーマの心象

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無計画に廃墟探しに行くことが多い。
目的の場所を決めて出てきても、その途中で見つけたところのほうが素晴らしいことの方が多いから。
出先で目的地の撮影がことのほか早く終わったり、既に解体されていたり、諸般の事情でそこまで行きつくことができなかったり…等いろんなことがあって予定が狂う。狂うものだと思う。それも楽しんでいる。
特に廃墟は、よほど名のある産業遺産とか歴史的建造物が崩落の危険とかで解体やむなしで事前告知の情報が入らない限り、行ってみると既に更地になっていたなんてことも珍しくない。

予定が狂うからクルクル回る。北海道内広いから、移動時間が長くてお腹もクウクウ鳴く。
それで目もクルクルしてくるので、美味しいものでもとランチタイムするわけです。
撮ってきた画像をチェックしながら「さて、これからどうしよう…」と地図を広げてみる。

「当麻(とうま)鍾乳洞─!」

鍾乳洞かあ…そういえば何度か行こうと思ったことあったけど、まだ行ってなかったなぁ…
廃トンネルとかは良く行ったけど鍾乳洞には入ったことがない。

「よーし!ここ寄ってこっ!」happy01

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Dscf7423 旭川市の隣町、当麻町の郊外。畑作風景が続くばかりで、さほど山奥でもない。やがて道は次第に両側の山がゆっくりとこちらへ近づき、高みも増してきた。
見上げる空がずいぶん小さくなってきた頃、谷間にポッカリと開けた箱庭のような場所が現れた。
谷間に巨大な黒い舌のごとき駐車場と数棟の建物が見えた。向こう側に庭園風の場所があり、その中に恐竜のモニュメントがある。 なんで…?

Dscf7433 GW中だというのに注射中の車は少なく、人もさほど多くはない。
たぶん旭山動物園の方に流れているのだろうね。聞いた話じゃ周辺の道も渋滞してるそうだ。混雑とか行列とか苦手だからいいや。

ともかく鍾乳洞へ入ってみることに…あれ?入場料じゃなくて「入洞料?」なるほどね…。
脇に龍のタイル画をあしらった洞窟入口はトンネル入口のようにも見える。
それはさておき、外界と違うひんやりした洞窟内は金属製の細い通路が続き、誰かとすれ違うのは難しそうな程狭い。外から差し込む陽の光が及ばないあたりからツララ状の鍾乳石が見えてきた。

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当麻鐘乳洞は、昭和32年に石灰岩の採掘中に発見される。全長135m、内部の高さは7~8m程。1億5千万年前のジュラ紀から、気の遠くなるような時間をかけて地下水の溶蝕作用がつくりあげた石灰洞窟。
学術的にも貴重な鍾乳洞としてされている。駐車場にいた恐竜はこの鍾乳洞の生まれた時代を意図したもので、ここで恐竜の化石が見つかったわけではないようです。

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鍾乳石が3㎝成長するのに約200年の歳月を要するといわれている。この鍾乳洞は、特に不純物が少ないので結晶度がきわめて良く透明感が高い。
その後(昭和36年)この鍾乳洞は北海道の天然記念物の指定を受け、北海道指定天然記念物で唯一一般公開されているものだという。

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当麻町には竜神伝説がある。恐竜の時代から鍾乳洞の成長が始まったとはいえ、竜神伝説はいささか無理があるように思えた。
しかし、恐竜から発した伝説ではないようです。当麻町には、こんな昔語りがある。

Dscf7573 むかし この土地がトウ・オマと呼ばれていた頃。
空を覆う雲の中から夫婦の龍が現れた。
土地の先人達は大空を飛んだり、大地をかけ回る龍を見て、その龍を自分たちの 守り神とし、この地の発展を願ったという。
そして龍神が休み所、それが当麻の鍾乳洞(蝦夷蟠龍洞)と伝えられている。

洞窟の内部構造も2頭の龍が並んでいるような形をしているのだそうだ。
でも、どうやって洞窟の形を知るのだろうと思うけど、それは測量技術のなせる技なんでしょうね。
この伝説があることから町のあちこちには龍を模ったモニュメントを見かける。

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通路は奥へ進むごとに天井が低くなったり、時折広い通路や階段を延々と下りていくところが続いていく。
何分に中は薄暗いので三脚を据えて夜間モードで撮影。
時折、他の入場者もいるので狭い通路を行ったりきたりしながら撮り進んでいた。

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今、自分は地表からどれくらい降りているんだろう?

ライトアップされて赤や緑に美しく輝く鍾乳石の幻想的な情景とは裏腹に少し不安にもなってきた。
前にも後ろにも人の姿は見えない。
意外と自分は狭いところが苦手なんだなぁ…。
それにしても鍾乳洞ってすごく内臓感覚のあるところです。

人の手によるトンネルや坑道は、その専門技術によって数年・数十年で作られる。
鍾乳洞は雫など、水の力で気の遠くなるような年月を経てここまで完成した。
そして今も成長し続ける。

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この時の経過は人の時間の感覚からすると、とても待ち続けられるものではないけれど、水一滴の力が意図したかのようにかくも美しい造形を作り上げた。その時を超越する職人にとって人の時間など、きっとせせこましく他愛ないことに過ぎない。
その人を超越した時間に人は「神」を見るのだろう。

そんな、トーマ(当麻)で感じてきた心象風景でした。

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『当麻鍾乳洞』

場   所:北海道上川郡当麻町開明4区
       JR石北本線 「当麻」駅から7㎞。
       車の場合は、旭川市内から国道39号線─道道1134号線経由で45分。
       高速利用の場合、道央自動車道車 「旭川北IC」から27㎞。
       札幌から、2時間30分。

営業時間:午前9時~午後5時

営業期間:4月29日~11月3日。

料   金:高校生以上500円 小中学生300円 幼児無料

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夏場は涼しくて快適な内部だけど、秋口とかは寒いかもよ。
羽織るものを用意しておいた方がいいかも。
けっこう階段も多いから、それなりの足元で。

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コメント

当麻鍾乳洞。昔行ったことがあります。おぼろげな記憶が甦りました。さすがに現地取材の記事には迫力があります。毎回、楽しみにしています。
十勝は平で変化がありません。芽室町にコロポックルの遺跡がありますが、私有地なので入れません。
また、十勝にきて十勝人の知らない十勝を発掘してください・・・。
したっけ。

投稿: 都月満夫 | 2010年7月 8日 (木) 19時54分

 33年前、修学旅行で行ったな・・・2年後家族で行った。しかし、当時は恐竜も播竜伝説もなかったな。一生懸命考えたんだろうな。

投稿: K・T | 2010年7月 9日 (金) 21時51分

都月満夫様>私有地でもお願いの仕方だと思いますよ。
牧場とかは、今シビアな状況なので難しいですけど…

投稿: ねこん | 2010年7月15日 (木) 20時22分

K・T様
修学旅行で行くような場所だったのですか?
学校のひと学年みんなで入ったらいっぱいになりそうな気もします。

投稿: ねこん | 2010年7月15日 (木) 20時24分

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